文字の大きさが一目でわかるDTPにはかかせない便利アイテム!?

コイケ

まどかのグラフィックデザイン

花粉症で目鼻がしんどくなってきた今日この頃…
その反面、春がすぐそこまできていると思うとなんだかソワソワしている
グラフィック/経理事務全般半々のコイケです。

前回、級数とポイントについて書きましたが…
現在のDTPでは自由な文字サイズを設定できることがあたりまえですが、DTPが出る前つまり電算写植・手動写植の数十年前の時代では、基本的に級数表に載っている文字サイズしか使えませんでした。
そのワケをこれから説明していきたいと思います。

目次

  • 級数表とは?
  • 級数の計算と文字のサイズ感
  • 級数表を使うメリット
  • まとめ

級数表とは?

級数表は、透明なフィルムにマスが印刷されている道具で、DTPが始まる前から文字の大きさを測る道具としてデザイン業界では必須アイテムとして使われてきました。
今となっては、この写植級数表が用いられる場面は少なくなってしまいましたが、まだまだ役に立つ立派な道具です。
昔からある「写真植字Q数表」は
7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 18, 20, 24, 28, 32, 38, 44, 50, 56, 62, 70, 80, 90, 100Q
の24種類の文字サイズがマス(□)で表示されています。
ちなみにこの級数表は協進(まどか合併前のグループ会社)作成のオリジナルの級数表のようです。

私が持っている級数表は、この級数表とは少し違っていまして、モリサワ製でQ数と行送りのHが1枚にまとまっているものでなかなか便利でした。
ではなく、今もまだ現役で使っています。とても便利なアイテムです。
ただこのモリサワの級数表は両方(Q数と行送り)入っているので62Qまでしかありません。

もう使いすぎで黄ばんでいますし、Q数の文字がかすれてみえにくいですけど…。
かなり仕事をしたということになります(?!)。

級数の計算と文字のサイズ感

文字サイズで使われる級数は
1Q=0.25mmなので、1段の行長が何ミリか定規で計って何文字詰かを数えれば、
行長(mm)÷ 何字詰め × 4
で、文字サイズ(級数)が計算できます。
また、逆に
文字サイズ(級数) × 何字詰め ÷ 4
で行長(mm)も簡単にでます。

ちなみに本文で使われることが多い、12Q~15Qあたりは、1Qの違いでも、人間の目にはかなり大きさが違ってみえます。
小さい文字で、一般的に印刷・可読に問題が起きないQ数は、級数表の一番小さいサイズの7Qまでです。
これより小さい6Q・5Q等の文字は特別に小さな文字という認識が必要になります。
言い方をかえると7Qよりも小さい文字は読みにくく、使わない方が良いということなのだと思います。

ということは、「写真植字Q数表」にある24種類の文字サイズだけあればタイトル・見出し・本文・注意書き・キャプションなど、文字サイズに違いをつけながら組版を行うことができたということです。
大きいポスターなどはまた別の話で、あくまでも冊子・カタログ・チラシなど机に収まる範囲のものですけどね。

級数表を使うメリット

先に紹介した24種類の級数は文字レイアウトをする上でバランスの取れたレイアウトができるように選ばれています。文章などで使われる12Q~15Qという文字の大きさは1Q違うだけで見え方に差を感じます。そのため1Q刻みです。ところがタイトル、見出しなどで使われる級数は18Q、20Q、24Qと1Q刻みになってません。それは、1Q刻みではその差を感じにくいからです。

これでお分かりのように級数表にある24種はバランスの良く統一感のある文字組みができるように級数を抜粋しているわけです。すなわち級数表にある24種類の級数さえ覚えてしまえば、誰でもきれいに組版が早くできるというわけです。しっかりと効率も考えられています。

以下の見本は当社会長が書いた本の1ページです。
この級数は級数表にあるサイズのみで構成されていますので、写植でもできるということになります。

 

いかがでしょうか?!
基本にのった文字組ですので読みやすいレイアウトだと思います。
また、別の話ですが、文字量が多かったりしてその部分だけ少しだけ小さくしてしまったり、または行間をツメてしまったりすると作業しているうちになにがなんだかわからなくなってしまいページによって本文のQ数がバラバラになってしまってたりすることも今ではよくあります。
そうなると全くの統一感のないものに仕上がってしまいますのでいいものに仕上がりませんよね。
残念なことに今はそういう印刷物や冊子などがたくさんあると思います。

まとめ

今でも級数表は手に入れることはできるようですが、編集・組版・校正に携わる方々はいまだに使っているアイテムなのではないでしょうか。
目盛がついていて定規の代わりにもなりますし、計算の必要もなく校正紙にあてるだけで文字サイズや行送りの数値が確認できるので大変便利です。
文字サイズに違いを出したいときは、1ランク上・下、2ランク上・下あたりを目で検討もできます。
また文字のメリハリ・統一感もとれて私はいいと思います。
もしかしたらあなたもQ数表を持っているかもしれません…たまには使ってみてください!
また持っていなければ新たに購入してみてはいかがでしょうか。
持っていて損はしないはずです…
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コイケ

デザイナー/経理事務全般株式会社まどか
東京都出身。大手精密機器メーカーで半導体設計の仕事を4年間経て、まどかに入社しグラッフィックデザインの仕事をして何十年(!?)。現在はグラッフィック半分、経理雑務半分…とこなす毎日。最近のお気に入り:東急バス、目黒探索&散歩、バーミキュラライスポット、味の素おにぎり丸…
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